この記事では、最近僕が「宗久翁秘録」という相場の古典を、現代のFXに応用するという動画を目にしましたので、「宗久翁秘録」にはどのような教えが書かれていて、実際のトレードにどこまで役立つのかを調べました。
公開されている本文の抜粋、目次、専門家の解説などを調べると、参考になる内容がある一方、そのままでは具体的な売買判断に使いにくい部分も見えてきました。今回は、その違いを紹介します。
宗久翁秘録とは何か
宗久翁秘録は、江戸時代の相場師・本間宗久の教えを伝える相場書です。世界的にも最も古い相場の本かもしれません。相場の心得などを説く157か条があり、対象としているのは当時の米相場です。米の豊作・不作、季節、他地域の相場、取引に参加する人々の心理などを踏まえた教えが記されています。
「酒田五法」との関係
トレードに関する古来からの書物として、ローソク足の形を使う「酒田五法」というものがあります。酒田五法というのは以下のようなローソク足パターンです。
酒田五法は、ローソク足の考案者とも言われる江戸時代の相場師の本間宗久が確立したとされる、
複数のローソク足から相場を読み解く手法です。「三山」「三川」「三空」「三兵」「三法」の五つから構成されていて本間宗久の出身地である「酒田」の地名をとって「酒田五法」と呼ばれています。
「宗久翁秘録」も「酒田五法」も、本間宗久さんが関係しているので2つの書物も関連づけて紹介されることがありますが、日本テクニカルアナリスト協会は、宗久の教えを復刻したとされる宗久翁秘録には、罫線・ローソク足・酒田五法に関する記述が見当たらないと説明しています。
そのため、「宗久翁秘録を読むと、ローソク足による具体的な売買パターンが分かる」と考えると、内容とのずれが生じます。
宗久翁秘録には何が書かれているか
内容は、おおむね次のようなことが書かれています。
- 仕掛けの心得:焦って売買せず、相場の状況と入る位置を考える
- 相場心理の読み方:世間の強気・弱気に、そのままついていくことを警戒する
- 手仕舞いと休むこと:見込み違いへの対処、利益確定後の振る舞いを考える
- 米相場特有の判断:作柄、季節、新米、米の輸送などを踏まえて売買する
また、干支や暦などに関係する項目もあります。現代でも参考になる教えと、当時の市場環境や考え方を背景にした記述が、一緒に収められています。
参考情報:出版社が公開する宗久翁秘録の目次
上記の内容だけ見ると「心構えだけでトレードに使える数値ベースのルールが無いじゃん」と思うかもしれませんが、例えば、気がはやるときには三日待つ、取引を終えた後は四、五十日休む、といった記述があります。ただし、宗久翁秘録はあくまで米相場での話なので、その日数を現代のFXにそのまま当てはめることは難しいです。
宗久翁秘録から分かる、トレードで大事なルール
僕が参考になると感じたのは、次のような教えです。
急騰や急落を見ると、「今入らないと乗り遅れる」と感じることがあります。しかし、その気持ちだけでは、売買する根拠になりません。
第37条では、不利なときに売り増し・買い増しで平均価格を調整しようとせず、見込み違いなら早く手仕舞うよう説いています。
第93・94条では、他人の取引を羨むことや、腹立ちまぎれの売買を戒めています。SNSで他人の利益報告を見て焦ったり、負けを取り戻そうと無理に注文したりする場面にも通じる話だと思います。
そんなん当たり前やん
こうした内容を読むと、「それは当然では」と感じる方もいるかもしれません。少なくとも僕はそう思いました。ただ、トレードロジックでは無く、こういうトレード時の心構えみたいなものが、古来から変わっていないということは、当たり前かもしれないけどやはり大事なのだなと改めて分かりました。
宗久翁秘録だけではできないことと、必要な対応
一方、実際に注文を出す段階では、宗久翁秘録の教えだけでは決まらない部分があります。例えば、次のような問題です。
| 宗久翁秘録の教え | 実際の売買で追加する必要がある条件 |
|---|---|
| 底を見極めて買う | 下落途中の反発と底を、何で区別するか |
| 買い人気が過熱したら売りを考える | 強い上昇トレンドと反転前の過熱を、どう区別するか |
| 見込み違いなら撤退する | どの価格・値動き・時間をもって、見込み違いと判定するか |
| 利益を深追いしない | 利益を伸ばす保有と、欲張った保有をどう区別するか |
宗久翁秘録のトレードに関するところで数字の記載があるのはごくわずかの印象です。それに起因して特に難しくなるのが、例えば「見込み違いなら撤退する」と、「小さな逆行ですぐ手放さない」の使い分けです。
同じ下落でも、損切りすべき下落なのか、保有を続けるべき押し目なのかによって、対応が逆になります。この区別を、その場の気分に任せず判断できるところまで定義する必要があります。酒田五法などのチャートパターンと組み合わせる方法も考えられます。ただし、その場合も、パターンの形、成立を確認するタイミング、損切り、利確などを補う必要があります。
EA化するなら、こうした条件をプログラムで判定できる形にしなければなりません。さらに、条件を作れた後には、取引コストを含むバックテストや、ルールを固定した後のフォワードテストが必要です。




そもそも別途トレードルールを作ったり数値で定義をした時点で
それは宗久翁秘録に書いていない
オリジナルトレードルールでしかありませんが。。
条件を数値化できたことと、その条件で利益が出ることは、別の話
また、宗久翁秘録には米の需給や当時の取引制度を背景にした記述があります。それをFXに移し、さらに1分足・5分足の短期売買に使うのであれば、市場と時間軸を変更した後も有効なのかを確かめる必要があります。
須藤一寿さんのFX企画(FX連戦連勝マスタースクール?)について、確認したいこと
今回、宗久翁秘録を調べるきっかけになったのは、須藤一寿さんが出演する予告動画と生配信です。動画では、宗久翁秘録の考え方を、初心者でも実践できるようにルール化し、1分足・5分足などの短期売買に応用したと説明されています。
生配信では、高いときの勝率88%、平均のリスクリワード1対2以上といった成績にも言及しています。




ただ、この勝率とリスクリワードの場合
プロフィットファクターが14くらいになり
怪しいくらいの異常値になります



そこで僕が確認したいのは、次の点です。
- 原典の曖昧な判断を、どのような売買条件に変えたのか
- 損切り・利益確定・見送りの条件は何か
- 説明された勝率と損益比率は、どの期間の何件の取引から計算したのか
- 勝ち取引だけでなく、負けや含み損を含めて、どの程度のリスクを負っているのか
- 本人以外の人でも、同じ条件で近い判断ができるのか
続きの動画では以下についても言及していました。
| 新しい説明 | 評価 |
|---|---|
| 「市場心理のサイクル」をトレンド、「恐怖と欲」をエントリー・決済に結び付ける | 理論の整理は進んだが、売買条件にはなっていない |
| 時間帯を区切り、有利な局面で大きくレバレッジをかける | 資金管理の方針が一部判明。損失リスクの確認が重要になった |
| 5分足で基礎を学び、その後1分足へ進む | 教える順序が分かった。収益性の証明とは別 |
| 酒田五法は宗久翁秘録の「1割程度」を形にしたものと説明 | 歴史的根拠と「1割」の定義が必要 |
| 月利1,000%、通貨ペア等を増やせば2,000~3,000%という説明 | 非常に大きな主張だが、計算条件と全取引の裏付けが不明 |
現時点で手法の有効・無効を断定するつもりはありませんし、宗久翁秘録を参考に、新しい売買手法を作ることは可能だと思います。ただ、その手法を評価する際に必要なのは、追加された具体的な条件と、その条件で得られた成績の根拠です。
今後、有料教材の案内があった場合も、そこを確認したうえで判断したいと考えています。
検証結果はメルマガで先行配信しています
当サイトは須藤一寿さんのFX企画(FX連戦連勝マスタースクール?)が聖杯だとは思っていません。なので検証が必要なのですが、メルマガでも数千人にお伝えすることになります。今なら購入特典の一部を無料で先にお渡ししていますので、この機会に登録しておいてください。



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