この記事では巷で有効だと言われているキャリートレードについて、個人トレーダーレベルで実践した時のシミュレーション結果と改善策を紹介します

上で「改善策」と書いているくらいなので
キャリートレードをそのまま実践した結果は
想像できると思います
キャリートレードに対応する通貨ペアとしてピックアップされることがあるトルコリラ円でシミュレーションをしました。
FXで本当に勝てる戦略
FXの世界では、多くの「勝てる」戦略がありますが、世界中の研究者や機関投資家が認める戦略もあるようです。
FXで「必勝法」を謳う情報は山ほどありますが
実際に学術研究や長期データで証明されている戦略って
実はそんなに多くないんです。今回は、世界中の研究者や機関投資家が
https://note.com/hosono_p/n/nff3fdbd3b100
「これは本物だ」
と認めた7つの実証済み戦略を
初心者でもわかるように解説します!
その内の1つであるキャリートレードにフォーカスします。
キャリートレード
先ほど引用しました文章の引用先に記載があります7つの戦略の内、最初に紹介されているのがキャリートレードです。
どんな戦略かというと、銀行的なことを自分でトレードとしてやるという感じです。
低金利通貨を売って高金利通貨を買うと金利差が発生しますので、該当通貨を長期間保有していると金利差によるお金が自分の手元に入ってくるイメージです。
パフォーマンスは
- 年率リターン:約7.3%
- シャープレシオ:0.29
とのことです。
この数字、どこからきたの?
というとおそらく以下のページから引用されているようです。
FX Carry Trade – Quantpedia
所感(感想)
年率が7.3%というのはどういう計算なのか分かりませんが一般的な投資商品としてはまぁまぁ良い方です。
ただ、個人トレーダーの強みというのはリスクを取れるというところだと思いますので、例えばですがGridFlexを使ってできるだけリスクを抑えて月利10%程度を狙っていきたいところです。
そういうトレードと比較するとキャリートレードは利率が低いですがまぁ手堅いと世間では捉えているのだと思います。
キャリートレードを手軽にやるには具体的に何したらいいの?
金利差が発生することでお金が生まれることはわかったけど、具体的にどうしたらいいの?
というと、めちゃくちゃ分かりやすいところでいうと例えばトルコリラ×円(TRYJPY)を買う事でキャリートレードができます。
一般的なFXというのは2つの通貨を組み合わせて通貨ペアとしていまして(例えばドルと円でドル円、など)トルコリラを買って、円を売る、というのはTRYJPYでいうと「買う」で実現できます。
- え、キャリートレードで重要な金利差ってどうやってもらえるの?
-
というと【スワップポイント】としてもらえます。トルコリラ円を買ってずっと放置していると金利差による
スワップが徐々に増えていきます。毎日スワップが貯まるという戦略です




かなり簡単な感じがしませんか?
キャリートレードをシミュレーションした結果
で、実際のところどうなのか?をChatGPT(GPT5)に手伝ってもらってシミュレーションしてみました。その結果を1枚の画像で紹介します。



右下に下がっている曲線があると思いますが、これはトルコリラ円でキャリートレードをずっと実行した結果です。
「え?負けてるやん?」
と思うかもしれませんがトルコリラ円を買っただけでは、実際に負けています。
世界中で認められているトレード戦略の1つとして、キャリートレードが紹介されていますがシンプルなキャリートレードをすると負けるという、何とも残念な結果になりました。




上のグラフには
他に2本曲線がありますが
これは後で紹介します
キャリートレードのリスク
キャリートレードが有効な戦略と言われているのにシミュレーション結果は負けています。これは大きく2つのポイントが考えられます。
過去の学術研究や長期統計では、高金利通貨を買って低金利通貨を売ると平均的にプラスになる傾向があったので勝てる戦略と言われているのだと思います。
高金利通貨は経済的・政治的に不安定な国が多く、急落リスクが高い
→ 為替差損がスワップ益を一瞬で吹き飛ばすことがある
例:トルコリラは過去10年以上ほぼ一方的に円に対して下落
→ 年間スワップ+20%でも、為替で-40%ならトータルは-20%
今回はトルコリラにフォーカスして紹介しますが、例えば以下のような政治リスクがあり単純にトルコリラ円を保有してスワップを得るだけでは勝てない事情があります。
勝ちやすくするために
先ほど紹介したシミュレーションした結果画像を再度紹介します。



キャリートレードということで単純に通貨ペアを買って保有ではなく、ひと工夫をするとシミュレーションで勝ちやすくなります。
例えば、上の画像では
- MA(期間100)フィルター(トルコリラ円の終値がMA上の時だけ保有)
- MA100+最大DD20%ストップ(レートがピークから-20%で一旦クローズ、MA上抜けで再エントリー)
という工夫をしたシミュレーションがありますが、これだけでも勝ちやすいのが分かります。
キャリートレード自体は、多くの機関投資家や銀行が取り入れているかもしれませんが、単純にトルコリラ円だったらそれを保有しているだけかというと
より勝ちやすくするためにキャリートレードにプラスして何か工夫しよう
と、機関投資家が考えていても不思議ではないと思います。
注意すべきこと
個人的に思うこととして、「学者や論文で言われていることがすべて本当とは限らない」と注意した方が良いと思います。
今回紹介したキャリートレードについては色々な話が世界中でされているようですが、実際に個人トレーダーが手軽にできる範囲で実施すると負けるシミュレーションになりました。
「キャリートレード」自体は良い手法なのかもしれませんが、それをむやみやたらに信じるのは良くなくて、例えばトルコリラ円でキャリートレードを実施すると、政治リスクのようなものがあり論机上の空論では想定していない事象も発生します。




想定していない事象が発生した後に
学者はあぁだこうだと分析はできるのですが
事前に分析をすることは困難です
その辺りは常に注意すべきでしょう。参考になりましたら幸いです。
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