この記事では本来は10/3に発表される予定だったアメリカの雇用統計発表が延期されたことの影響や関連情報について紹介します。
この件です
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/JWJEIYQF65L5RBDXIMVKS26MRE-2025-10-03
(コラム:米政府機関閉鎖で経済統計発表に遅れ、FRBはますます視界不良)
雇用統計の発表延期
そもそも何で雇用統計が発表遅れているかというと、簡単に言えばアメリカの政府機関が閉鎖して資金が回らなくなっているからです。

(閉鎖したのはアメリカの政治的な影響)
延期されたものが実際にいつ発表されるのか?
というと、10/3時点では決まっていないのですが、これまでも政府機関が一時閉鎖されて経済指標発表が遅れたことはありました。上で紹介したロイターの記事でも画像も使って言及されています。



過去50年間に発生した閉鎖の回数とその継続日数を示した棒グラフで、
という具合です。
過去のデータだけで見ると1週間程度で閉鎖が終わる可能性もあります。
過去のデータだけで見ると、
- 雇用統計:10月中旬(10日~17日頃)に臨時発表
- CPI(元々15日予定):少し遅れて20日前後に発表
という可能性があります。
2回も「データだけで見ると」と書いたのですが、実際のところはデータ通りになるか分かりませんので、上記の内容は気にしつつ実際の動きを注視をしていた方が良いでしょう。
ユーロドルやドル円への影響は?
雇用統計の発表延期がユーロドルやドル円にどう影響するかも検討したいと思いますが、この後紹介する内容もあくまで基本的な考え方なので実際の値動きは予想外のものになる可能性もあります。
基本的な考え方
雇用統計というのは影響が大きい経済指標なので、これが発表されないとなると他の経済指標データから類推するようになります。ただ、当然ながら精度が良い推測はできませんので
(当たり前の話かもしれませんが)不確実性が高まり1つ1つの経済指標発表にセンシティブになりやすい
という状態になります。また、もう1つ想定しやすい状況として
アメリカの経済指標発表が延期されたので、アメリカ(ドル)への信頼が弱くなりドルが通貨としても弱くなる可能性が高いです。
ユーロドル
ユーロドルは、基本的に上昇トレンドになる可能性があると見込んだ方が良いのですが、今度はユーロが関連する経済指標の結果がどうなるかによってユーロドルの動きに影響を与えます。
例えばユーロ関連の経済指標で、ユーロにとってネガティブなサプライズ的な結果の数値がでるとユーロドルとしても下がることになりますのでこれまで以上にユーロ関連の経済指標の数値が注目されると思います。ドルにとっては、雇用統計の発表は延期されても例えば「ISM非製造業景況指数」などの経済指標は発表されますのでその結果によってはユーロドルが下降する可能性もあります。
ドル円
基本的にはユーロドルと似た考えが可能だと捉えており、具体的にはドル円が下降する可能性があります。
ただ、ドル円を見る時に織り込まれていることとして「ドルは利下げ、円は利上げ」という内容があると考えていて、ドルの政策金利については雇用統計の発表延期で判断が難しくなっているので、そもそもドル円の動きが不安定になりやすい、などの可能性が発生します。
ざっくり言うと
結局極めて簡単にまとめると
- ユーロドル:上昇トレンド?
- ドル円:下降トレンド?
の可能性はあるのですが、そうと決めつけてトレードや分析をするのはそれはそれで危険という感じです。
余談
最初に紹介したロイターの記事の中では、雇用統計の発表延期とは関係ないけど個人的に興味深い話もありました。
以下にキャプチャで引用させていただくのですが



上の引用画像は、直近のいくつかの経済指標発表が過去と比較してどれだけ「振れ幅」が大きくなったかというものだと捉えてください。時代の変化によって多くの統計の信頼性(予想精度)が低下していてアメリカの政策判断やトレーダーが投資判断を行う際に「誤差の大きなデータ」を参照せざるを得ず不確実性が高まっているという考えに結びつきます。




ここ数年
通貨ペアのボラティリティが増加している印象ですが(ローソク足の乱高下が大きい印象)
経済指標発表の信頼性低下も影響しているのでしょう。
だからどうしたら良いの?というと個人トレーダーがマーケットを動かすことはできないのですが
少なくても
「過去こう動いていたから、今回もこう動くだろう」
という予測はリスクがあるでしょうね。。
参考になりましたら幸いです。
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