この記事では統計的に有意に勝てると言われている「通貨モメンタム戦略」について、調査した結果を紹介します。

通貨モメンタム戦略の
「モメンタム」は
キャリートレードと同じくらい
有名な概念です
通貨モメンタム戦略
いきなり引用をさせていただくのですが、
FXで「必勝法」を謳う情報は山ほどありますが
実際に学術研究や長期データで証明されている戦略って
実はそんなに多くないんです。今回は、世界中の研究者や機関投資家が
https://note.com/hosono_p/n/nff3fdbd3b100
「これは本物だ」
と認めた7つの実証済み戦略を
初心者でもわかるように解説します!
その必勝法の1つに「通貨モメンタム戦略」というものがあります。
何それ?
通貨モメンタム戦略というのは文字にすると少し仰々しいというか大げさな感じがしますが
強い通貨はさらに強くなる
と仮定してトレードをする方法です。ローソク足が上昇する時ってどこまでも上昇しますし、下降する時もどこまでも下降する気がしませんか?あれです。
以下のPDFファイルに詳しく書かれているのですが英語です。。
このファイルはBIS(Bank for International Settlements)という、中央銀行のための国際銀行があって、その機関(銀行)の研究レポートです。何が書いているかというと
対象:1976~2010年の40通貨以上の月次データ
手法:過去3~12か月の通貨リターンを計算し
「Winner通貨(上位通貨)を買い」
「Loser通貨(下位通貨)を売る」
毎月見直しを行う想定
上記シミュレーション結果として
年率が約10%前後になった(統計的に有意)。
これはおそらく
「投資家の群集心理」
「トレンド追従」
などの行動が考えられる
大きなドローダウンのリスクがある
という感じの事が詳しく書かれています。
モメンタム?
ちなみに、MetaTrader4を最初に開いたときに、デフォルトでいくつかのインジケーターがありますが、その中に「Momentum」というインジケーターがありますが↓



紛らわしいのですが、MetaTrader4にあるMomentumというインジケーターと今回の通貨モメンタム戦略は名前が似ていますが大きく異なるものです。
インジケーターのMomentumは、「現在の価格 - 過去n期間前の価格」で数値を計算して
- 値がプラスなら上昇トレンド
- 値マイナスなら下降トレンド
と解釈するというものです。




Momentumが急上昇したら勢いがあるから
買いエントリーしようか、
というイメージです
先ほど紹介した研究レポートにあった「通貨モメンタム戦略」は、通貨の「リターンの大小」を比較し、強い通貨を買い弱い通貨を売る戦略です。
Momentumは単一の通貨ペアの話で、通貨モメンタム戦略は複数通貨の話です。
通貨強弱システム
ちなみに、ChatGPT(AI)に通貨モメンタム戦略を簡単に行う方法があるか聞いたところ「通貨強弱システム」を使うのが良いかもと返答がありました。
今も流行っているかもしれませんが、一時期流行った通貨強弱システムはもしかしたら「通貨モメンタム戦略」から知恵を拝借したのかもしれませんね。ただ、この後分かりますが、通貨モメンタム戦略は年々リターンが小さくなってきているので、その戦略をさらに簡易的にした通貨強弱システムは通用しにくいかもしれませんね。
通貨モメンタム戦略は個人トレーダーでは使われない?
この記事を書くために通貨モメンタム戦略がどれほど個人トレーダーに使われているか調べてみたのですが驚くほど使われていませんでした。
理由はいくつかあると思っていまして、推測ですが
- 年率10%は個人トレーダー的にはやや不満
- システムの構築やプログラミングがやや煩雑
- 勝てない可能性がまぁまぁ高い
という点だと思っています。
勝てない?
別の論文を紹介したいのですが↓
この論文の内容を要約すると
通貨モメンタムが発生する要因は
通貨ファクター(キャリーとドル)に自己相関があること
として色々調べているのですが、そこは僕としては大きなポイントではなくて、この論文の中に気になるグラフが2つありましたのでそれを引用して紹介します。






この2つの画像(グラフ)は、通貨モメンタムとファクターモメンタムについてリターン(利率)を計算したものです。横軸が年です。




ファクターモメンタムについては説明を割愛します
グラフを見ると分かるのですが【年々勝てなくなってきています】
勝てなくなっている理由はいくつか考えられて
- 昔はあまり知られていなく、今は広く知られているので、ヘッジファンド等が逆に利用
- 通貨モメンタムだけで説明できる事象が少なくなってきた
- この戦略で負ける時に思い切り負けるようになってきた
(例えばリーマンショックや新型コロナなど)
などが考えられます。
あるいは、機関投資家が実はまだ使っているけれど通貨モメンタム戦略にAIや別の要素を加えて勝つトレードをひっそりしている可能性もあります。
まとめ
言い方が良いか分からないのですが
- BISの研究レポート
- 通貨モメンタム戦略という言葉の響き
- 統計的に勝てている
などと聞くと、「おぉ、世の中にはすごい戦略があるのだな」と思うかもしれませんが、調べてみると昔勝ててたけど最近は勝ててないかもというものは多いです。




僕らはこういう論文などに怯むことなく
勝てているEAやツールで
コツコツやっていきたいところです
参考になりましたら幸いです。
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