この記事では以下のニュースに関連した、不動産クラウドファンディングのリスクについて、事前にチェックすべきポイントなどを紹介します。
「みんなで大家さん」の配当遅延ニュース
2025年8月ごろに不動産クラウドファンディングの一つ「みんなで大家さん」で、配当(分配金)が遅れているというニュースがありました。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/900171459.html
テレ朝NEWS:「みんなで大家さん」配当遅延 巨大プロジェクトほぼ更地 1口100万円から投資募集
ホームページでは不動産開発のイメージ図が紹介されているのですが(以下はテレ朝NEWSから引用した画像です)

実際の状況は以下のようになっています(テレ朝NEWSから引用)。



取りあげている不動産クラウドファンディングは、「みんなで大家さん」側が出資金を集めて土地を購入し土地を開発業者に貸し出し得られた賃料を出資者に分配する仕組みです。
不動産クラウドファンディングにおいて配当金というのは重要な要素で、今回ピックアップしているファンドでは
利回りは7%ですので参加している投資家(出資者)も当然良いリターンを期待していると思います。
配当が遅れた背景
土地の開発が進んでいないのでそもそもどうやって分配するのか、寧ろ分配などそのうちできなくなるのではとも思いますが
これまで「みんなで大家さん」の販売株式会社と、今回取り上げたファンドに関係している都市綜研インベストファンド株式会社という営業者については、以下の背景があり行政処分が下されたことがあります。
- まだ許可を取っていない土地を投資対象にしていた
- 投資家にきちんと説明しなければいけない内容が伝えられていなかった
- 契約の変更をするときに、投資家への手続きが正しく行われていなかった
国から行政処分を受けると当然不安に思う投資家は増えますし、解約希望も増えたのだと推測します。先ほど引用画像で紹介した土地開発が進んでいないことや、(あくまで憶測ですが)解約なども発生してお金の流れが一時的に滞った可能性があります。



https://crowdfunding.bridge-salon.jp/minnadeoyasan/?utm_source=chatgpt.com#danger1
みんなで大家さんは危ないと言われる5つの理由!行政処分理由や口コミ・評判を宅建士が解説
不動産クラウドファンディングで気を付けるべきリスク、ポイント
「みんなで大家さん」のリスク
過去に行政処分などがあったとしても2000億円ものお金が集まった理由の1つとして、配当利回りの高さが挙げられます。「年6~7%」というレベルで銀行預金に比べて高めの利回りが謳われていましたので影響は大きいと推測しています。
また、実際に自分が不動産開発を進めるわけではなく、お金を預けてどこかの土地開発が進み、かつ、高い利回りが得れるなら確かにメリットを感じる投資家もいらっしゃると思います。
ただし注意したいリスクがあります。
- 元本保証はない
→投資したお金が戻らない可能性もある - 途中で解約しづらい
→急に現金が必要になってもすぐ引き出せない
※これは不動産クラウドファンディング全般に言えます - 会社の運営リスク
→今回のように行政処分や資金トラブルがあると配当が遅れることも
気をつけるべきこと
当サイトはFXに関する話題がほとんどなので、不動産クラウドファンディングに興味がある人がどの程度いらっしゃるか分かりませんが、FXでも不動産でもおおよそ気を付けるべきポイントは似ていますが、僕の感覚ではFXよりも不動産クラウドファンディングの方が気を付けるべきポイントが多いように思います。




(僕自身のFXへの慣れなどの影響が大きいと思いますが)
もっとも気を付けるべきポイントとして「利回りが高いからといって安心はできない」ということです。不動産クラウドファンディングに投資する際は、以下の点をしっかり確認しましょう。
- 利回り(利率)の高さだけで選ばない
- 出口戦略(売却や運用の方法)がきちんと書かれているか
- 会社の信用度(過去に問題を起こしていないか)
- 分配金の根拠(なぜその利回りが出せるのか)
- 途中解約の条件(お金を動かしたいときに可能か)
- 物件情報の透明性(どこにある物件で、どんな用途かが分かるか)
FXで言うと
上記の気を付けるべき確認ポイントをFXのEAやツールで言い換えると以下でしょうかね。
- ・利回り(利率)の高さだけで選ばない
- ・出口戦略→トレード手法の明確さ
- ・会社の信用度→開発者、開発会社の信用度
- ・分配金の根拠→これはFXには無い
- ・途中解約の条件→これはFXには無い
- ・物件情報の透明性→これはFXには無い
FXの方が気を付けるべきポイントが少ないように思いますが、国内FX業者では追証が発生する可能性があるなど、FX特有のリスクがあります(海外FX業者ではゼロカットシステムがあるので、追証は発生しません)。
不動産クラウドファンディングは事前に調べるべきポイントが多いのですが、いったん出資した後は基本的に様子見する印象です。一方FXは、お金出したら終わりというコピトレサービスもありますが、基本的には都度チャートを見たりEA稼働オンオフを行ったりして様子見だけでは実際には不十分なケースが多いです。
どちらが良いかは一概に言えませんがあくまで個人的な感想として、不動産クラウドファンディングは他人にお任せ感が強すぎて僕の個人的な感想としては「怖い」ですね。




他人が関係するほど予測不能な事態が起きやすくなりますので…。
不動産クラウドファンディング側が、集めたお金で土地を買って開発会社に土地を貸すと言ってもそれが実際にされてないのが今回のケースだったりしますが、せいぜい会社に何か伝えるくらいしかできることがありません。また、不動産投資は基本的には流動性が低いので一度出資をすると例えば数年は解約できないなどのリスクもあります。
不動産クラウドファンディングに出資する場合は、本当の余剰資金で行うべきでしょうね。
参考になりましたら幸いです。
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